初日 次のページ
2005 i-Cup
  初日6/18のレポート No1

 By 終身名誉事務局 佐藤 祈(@多度志)

北の大地によさこいの鳴子が鳴り響く6月、かつて炭鉱で栄えた炭都三笠で、道内のスラローマーを熱くさせる大会「幾春別川カップ」が開催された!

 幾春別川は札幌市から約60km、車で1時間余り。自然豊かな川でありながら、上流の桂沢湖からの発電放流によって安定した流量に恵まれている。道内の中小河川は雪解け時を過ぎると流量が減るが、8月下旬まで灌漑用としてフルタイムで放流され、週末には多くのカヌイストで賑わう所となった。
 会場となっている上流の桂沢地域は中生代〜新生代の断層のギャップにより渓谷になっていて大岩や狭窄部(ひとまたぎの瀬)があり、そのままで素晴らしいカヌーコース。さらにその下流にある7mの「魚染めの滝」下流は初心者にとっても穏やかで、下流は「水辺の楽校」などもあって変化に富んでいる。さらに河川管理者の理解多く、河川環境も年々改善され、観覧席や見学路、ポーテージルート、さらに護岸工事の一環として自然石を置いたり、寄せたりし、バックウォッシュがある瀬も2ヶ所できている。おかげでi-Cupの瀬と名づけられた瀬では週末フリースタイラーが順番待ちとなっている。

 さて幾春別川カップについて改めて説明させて頂こう。i-Cupの前身はダガーカップで、長野のサンデープランニングの吉原校長が全国にプレイボートの草レースの全国普及のために始めた大会であった。札幌に近いこの地を見出し、1泊2日でスラロームレースやウェルカムパーティ、アメリカのOCレースから取り入れたコンバインドレースといってスラロームとダウンリバーの総合レースを楽しむことでスタートした。
ゲストの貝本さんがご挨拶。スタッフはその後ジャッジの説明を行い、いよいよレース本番です。(本部前 開会式とその後)
 当初アメリカからダガーの社長ジョー・プリアムやカヌーデザイナースティーブ・スカボローが、その後もマーク・ライル、ブルース・レッスルズ、ブライアン・ブラウンなど素晴らしい選手やカヌーイストが招聘された。サンプラの吉原校長や、現在は「ウクディー」のトドさん。さらにはかの昔、「ホワイトウォーターパドラーズニュース」なるタブロイド紙を発行していた、新潟パレットデザインの高橋芳彦さんなども来て頂いた。主催が途中から三笠カヌークラブに任され、そしてスポンサーの関係で2000年から現在の地域名に変更された大会名になったが、当初の「楽しく皆が楽しめる草レース」というサンプラの吉原校長の哲学を守り続け、道内においても最も楽しいレースという評判である。最近ではコンバインドレースに前述の「ひとまたぎの瀬」や「i-Cupの瀬」でフリースタイル(以下FS)レースを加え3種目で競ったり、ペアレースをダブルエントリーできるようにしたり、楽しみをさらに増やしている。まさに川もこの大会も毎年生まれ変わっているのである。またカヌーライフ37号で高橋芳彦氏が「スラローム競技マニアへの道」で書かれているように、北海道はOCが盛んで、この大会でもしかりである。日本版オープンカナディアン・ナショナルズが誕生できるなら、是非候補地として名乗りをあげたい所である。(Text by Takashino Kazunori)
 今年の大会も毎年晴れると言うジンクスの中、のべ134名の参加の元、6月18日(土)19日(日)の両日に開催された。初日は15ゲートのスラローム。今年はスリースタイラーの貝本宣広氏をゲストに迎え、選手達の熱い戦いが始まった。
 開会式後のデモランではゲストの貝本氏がワイヤレスマイクを付けて、ゲート攻略方法を会場に流すなど嗜好をこらし、プラクティス前からコースについてのアドバイスが送られる。レースはクローズドカナディアン(以下CC)、カヤック(以下K-1)、オープンカナディアン(OC)。午後からタンデムとなる。本来であれば大会のゲストはMCを担当するのが常であったが、本人の強い希望もありカヤック(コンポジット競技艇)の部で参戦。フリースタイラーのスラロームの腕前はいかにと注目を集めた。
北の大者、山本選手の不参加の中、「チーム鰍」の斉藤選手がCC-1の優勝者に輝いた。往年のCC-2NT福永選手も、北大CCの前田、斉藤も頑張る!
男子CC-1
 レース初日。CCでは、カナスラ・トリプルクラウンにも輝いた北の王者、山本誠一不参加の中、誰が制するか注目を集める。本部席前の5番ゲートを落としたり、ウェーブの使い方を失敗し6番、7番のアップゲートで沈をする選手も見られたが、チーム鰍の斉藤雅洋が、2本連続ノンペナでクラス優勝をさらう。2位にはチーム山水の後藤弘之が高齢にもかかわらず(失礼!)気を吐く。3位にジャパンカップにも参戦している北大カヌー部の前田隆行が頑張る。
K-1Biginner
 続いてK-1のビギナーレース。5名(内1名女子)がエントリーの中、脱艇する選手が続出。結局このクラスはサバイバルレース。自作艇で臨んだ出井康之が2本そろえて優勝をさらう。帯広畜産大学カヌー探検部の大岡秀夫は1058ポイントをもらいながらも完走し、最多ペナ賞をもらった。脱艇しても優秀なレスキューチーム、北海道教育大学岩見沢校の生涯スポーツの学生10数名(山本理人研究室担当)が各選手を引っ張り上げていた。
ビギナー優勝の井出選手(上)。各選手、5番ゲートあたりから、腰がグラグラ。ウィルダネスCCの中の選手もこの後は、、、。
男子K-1Compojite
 注目の男子K-1競技艇の部には21名がエントリー。道カヌー協会のコーチも勤める神川仁が2本目ラップをたたき出し若手の追い上げをかわして優勝。北大OBの日月伸が2位に食い込み、3位は北大現役の本位田篤生が入る。優勝を期待されていた北大OBのサッポロビールCCの松原啓は2本目、パドルブレードを折るという不運に見舞われDNF。北大の中村哲士がユーコン帰りの経験を生かしノンペナで7位にはいりノンペナ賞を獲得。ちなみにゲスト、貝本氏(写真左)はなんと優勝した神川仁から3.34アドバンテージを付けて今大会最速ポイント!「フリースタイラーの実力恐るべし!」と道内のパドラー達も驚嘆の声を挙げた。
本大会最速のタイムを出したゲスト貝本さん。(左上)ユーコン帰りの北大CC中村選手のノンペナはご立派。ACC小田桐さん、町議城田さんも頑張る!
女子K-1Compojite
 続く女子K-1競技艇の部(6名)では少数精鋭の激しい女の戦い!北大OGの坂本晃子が2本とも100ポイント代でダントツ優勝。今大会の立役者釧路ラピッヅの福島陽子が、お母さんの意地を発揮して2位。3位には旭川CCの小田桐留美が入る。かつてこの大会で総合優勝(クイーンオブカヤッカー)に輝いた北大、富所康子は学業が忙しかったのか5位に終わる。
女の戦いを征した北大CCOGアッチャン。ラピッヅ、ヨーコちゃんは2位に。ACCルミちゃんが3位に入る。
K-1Primier
 K-1レクリエーションボート部門には4名参戦。旭川CCの中川誠(写真右)が優勝し、帯広畜産大学カヌー探検部の内田雄祐がペナをもらうも完走し2位に入る。
初日のカナディアンレースの模様は次のページへ
 
初日 次のページ
PDF形式ファイルをご覧になるには、
Adobe(R)Acrobat(R)Readerが必要です。

inserted by FC2 system